24れたものの、原材料・資材・エネルギー価格高騰や為替相場変動の影響などの外部要因によるコスト負担が199億円増加するなど利益を大幅に圧迫し、事業利益は前年から2億円の改善に留まり、144億円の損失という結果になりました。厳しい状況で2023年は、外部要因によるコスト上昇の圧力が継続する見通しですが、2022年に得た多くの成果と学びを活かし、「利益にこだわる年」として、収益性改善に最優先に取り組んでまいります。主要施策としては、5月の缶製品および大型PETボトル製品などの価格改定の実施や、収益性と投資効率を重視した営業戦略の徹底、安定的かつ低コストでのオペレーションの実現に向けたさらなる変革を推進してまいります。販売数量は、価格改定による数量減少影響が見込まれるものの、人出のさらなる回復を背景とした需要増加機会の獲得や2022年以降3度目となる価格改定の実施などにより、売上収益は対前年で4.9%増加の8,471億円を目指しております。事業利益は、価格改定を含めさまざまな取り組みを続けておりますが、原材料・資材・エネルギー価格の高騰や為替変動によるさらなるコスト増の影響で50億円の損失を見込んでおります。株主価値の創出に向けて、当社は「成長に向けた投資」と「資本の適切な管理・運用」に取り組んでおります。「成長に向けた投資」としては、中長期の成長に資する変革の主要施策への投資を継続実施していく一方で、足元の事業環境やキャッシュの状況をふまえ、全体の設備投資額の水準をコントロールしていく方針です。2023年の設備投資額は前年から19億円減額の370億円を予定しております。また、「資本の適切な管理・運用」については、これまでも変革の過程で出てくる遊休資産の売却やコーポレートガバナンス・コードに沿った政策保有株式の段階的な売却などに取り組んでまいりました。2023年も「資本の適切な管理・運用」に注力するという考えのもと、強固な財務体質の維持に努め、適切なキャッシュフローを確保し、ROIを意識した設備投資の実行や安定配当の継続など優先順位をつけた資本配分を実施してまいります。持続的な成長に向けては、市場シェアの成長基盤を築くためはありましたが、収益基盤構築や低コストオペレーション実現に向けた取り組みが着実に成果を生み出し、コントロール可能な分野において約200億円の利益改善を果たしたことに対し、一定の評価をしております。売上収益の成長を原動力とした利益改善により、前年からは約100億円改善させる計画となっております。2023年の飲料市場は、当社を含めた各社の価格改定の効果を含め、金額ベースの市場規模は一定の成長が期待できるものと考えております。当社においても、そのような前提のもと、お客さまに価値を提供するためのさまざまな施策を実行し、しっかりと需要を取り込んでいくとともに、価格改定を含めた収益性・投資効率重視の営業活動を徹底してまいります。また、価格改定後の市場動向を注視し、必要に応じて適切な対応を行うことにより、各種施策の浸透を図ってまいります。コストの側面では、製造・物流分野を中心に変革の取り組みを推し進め、コスト削減効果33億円の創出を目指してまいります。引き続き、中長期の持続的な成長を見据えたコスト構造の見直しに取り組んでまいります。のマーケティング投資の実行や環境変化に素早く対応する柔軟なコスト構造の確立、業務プロセスの標準化やDXの推進による効率化、「資本の適切な管理・運用」の視点でのバランスシートの改善などが重要だと考えております。配当につきましては、安定配当を維持することを基本とするものの、将来的には成長に合わせた株主価値の向上を目指してまいります。株主還元の増加につながるあらゆる施策について検討してまいります。2023年の配当予想につきましては、年間配当は2022年と同額の1株当たり50円を予定しております。当社は、2017年の経営統合以降、安定した配当金の支払い、自己株式の取得、社債の発行などの資本政策を実行するとともに、株主価値の向上を目指してバランスシートの最適化に取り組んでまいりました。2023年も厳しい事業環境が続くことが見込まれますが、変革をさらに推し進め、アジャイルでレジリエントなビジネスの基盤を強化するとともに、収益性の改善に向けた努力を継続し、企業価値の向上に取り組んでまいります。2023年は収益性改善を最優先に、営業戦略の徹底と安定的かつ低コストでの製品供給の追求「成長に向けた投資」と「資本の適切な管理・運用」を中心にビジネス基盤を強化
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