統合報告書2022
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58成長を実現するには、それだけでは不十分であり、より高度で将来を見据えたリスク識別プロセスを開発すると同時に、正確な情報やデータに基づいたリスクテイクを奨励する必要があり 世界は目まぐるしく変化し、不確実である一方、チャンスを秘めた複雑な状況が生まれています。当社が成長するためには、機敏かつ革新的である必要があり、社員が十分な情報を得た上で適切なリスクがとれるような環境を整える必要があります。成長へのマインドセットとスマートリスクをとるためのリーダーへの権限委譲によって、当社は積極的にチャンスを 優れたリスクマネジメントを事業全体に組み込むことは、高い競争力を保ち続けることにつながります。当部門は、ビジネス環境の変化を予測し、新たな脅威を特定することに重点を置いています。そして、全社員に受け入れられる総合的なレジリエンスのフレームワークを構築しています。 製品の品質やコカ・コーラシステム特有のリスクへの対応に加え、気候変動、TCFD開示、サイバーセキュリティ、地政学的変化などの新しい分野への対応にも注力しています。これにより飲料業界におけるリーダーとして当社の強みを最大限に発揮しています。 スマートなリスクテイクでは、失敗するかもしれないことを認め、そこから学ぶことが最も重要です。スマートリスクとは、健全なリスク評価、市場の感応度に対する理解、そして透明性に基づいています。透明性は重要な柱であり、それは、ステークホルダーの参画、継続的なコミュニケーション、必要に応じたサポートを含みます。スマートリスクは、失敗から素早く回復し、学ぶことができるように、常にバックアッププランを備えています。ます。これを支えるために、当社は確固たるリスクマネジメントの方法と手順を作り上げ、会社全体に根付かせています。追い求めることが可能になります。また、スマートリスクをとるにあたり、必ずしも計画どおりに上手くいくわけではないことを受け入れる必要があります。そして、失敗を受け入れることで、どのようにしたら失敗を繰り返さず成長できるかという考え方に重点を置き、取り組みを進めています。 まず優先すべきは、気候変動における物理および移行リスクの特定と対応です。これにより、確実に気候関連リスクと機会を評価・管理するための緩和策、投資戦略、指標と目標を理解し、開示することができます。 リスクと戦略を一致させることで、貴重なビジネスの識見を活用することができます。これを支えるのが、危機管理と事業継続における強力な対応プロセスであり、それらは有事の際には、初期対応を行うための迅速な方法を見出し、新たな事態への対策を加速させます。プアリスクはその反対であり、場合によっては違法の可能性も秘めています。 当社は「誠実と信頼に基づいた気高い志で行動します」をバリューとして掲げているため、違法なリスクや違法と見なされる可能性のあるリスクはとりません。私たちは機動的かつ革新的な方法で協力し合い、ビジネスにレジリエンスを根付かせていきます。リーダーへの権限委譲を通じて、積極的にチャンスを追い求めるリスクと戦略を一致させることで、有事の際の迅速な対応を可能にする失敗を成長への学びにする文化を醸成する

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