統合報告書2022
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86 統合報告書を読んだ感想としては、コロナ禍、原料高騰など経営に対する大きな外部ショックにもかかわらず「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の目標実現に向けて着実な取り組みで成果を上げつつあると思いました。 容器の軽量化は環境効果と容器コスト削減が両立することから、コカ・コーラ社の「い・ろ・は・す」の成功以来各社で進められてきましたが、さらに大きく進んでいます。これは、「い・ろ・は・す」で極めて薄いボトルに対する消費者の認知を使いにくさではなく、潰しやすさに変えることができたことによります。統合報告書で軽量化製品が増えその果実がさらに大きく収穫されていることを知りました。 「容器の2030年ビジョン」で掲げている2030年に全てのPETボトルをサスティナブルな素材に切り替える目標実現の 石川先生には、貴重なご意見を賜り厚く御礼を申し上げます。統合報告書の発行初年度として、本書では、CCBJHグループの利益をともなう成長の実現に向け、構造的な収益性改善に最優先に取り組む財務・非財務の戦略を明確に打ち出しました。こうした当社の戦略に基づく取り組み、特にサスティナビリティー戦略推進の強化などについてご評価いただきました。今後は、各戦略を着実に実行していくとともに、サスティナビリティーについては、非財務目標専門は環境経済学/環境システム分析。政府、自治体の審議会などで3R、廃棄物政策、LCAなどの専門家として活動。2019年から叡啓大学ソーシャルシステムデザイン学部 特任教授。2006年、廃棄物の発生抑制を目指すNPO法人ごみじゃぱんを設立、代表理事として、減装(へらそう)ショッピングを展開している。減装ショッピングは2007年度グッドデザイン賞(新領域デザイン部門)、平成24年度3R推進功労者表彰内閣総理大臣賞、平成24年度こうべユース賞、低炭素杯2015環境大臣賞金賞(地域活動部門)、2017第18回グリーン購入大賞を受賞。ためには、生活者、自治体、流通事業者等様々な関係者との連携協力が必須です。この点で、三菱地所、スギ薬局、各地の自治体と協力して使用済みのPETボトルを回収しPETボトルにリサイクルする水平リサイクルを推進している点は事業者自主回収の推進、ライフサイクルでのCO2排出削減の視点で特に高く評価できます。 また、水平リサイクルを目指す活動がPETボトルの「ボトルtoボトル」に限らず、アルミ缶の「CAN to CAN」、物流で用いられるパレット、シェルにも拡がっていることは、飲料業界に限らず、今後他の消費財にも拡げるべき活動だと思います。この点では、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス社の活動は事業者のプラスチック問題に対する取り組みとしてスコープを拡げている点が先駆的であり、高く評価できます。「CSV Goals」の達成に向けて具体的な展開を図り、当社の経営の根幹としている社会との共創価値(CSV)を実現してまいります。 私たちは、ステークホルダーのみなさまのために価値を創造し、今後何十年にもわたって選ばれる存在であり続けたいという想いがあります。「すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造する」ことで、私たちは、持続可能な成長・企業価値の向上に向けて歩みを進めてまいります。第三者意見を受けて3R(リデュース、リユース、リサイクル)、廃棄物政策、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)などの専門家である叡啓大学特任教授・神戸大学名誉教授の石川雅紀氏にご意見をいただきました。第三者意見石川 雅紀 氏叡啓大学特任教授・学長補佐神戸大学名誉教授

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