SCM本部は、当社グループ全体のサプライチェーンの戦略策定と実行を担っております。当社は製造・物流・販売を主に自社グループで行っており、サプライチェーンは重要な経営基盤です。SCM本部では、安全・安心で高品質な製品を製造し、 低コストでお客さまにお届けすべく、効率的で無駄のないサプライチェーンの体制構築を目指しております。そのために、プランニング、製造、物流、そしてこれらをつなぐシステム、それぞれの分野で生産性向上の取り組みや、デジタル化・自動化を推進しております。 2021年は、新型コロナウイルス感染症の継続等により需要予測がたいへん難しく、これまで以上に営業部門との連携を強化し、需要変動に柔軟に対応できるプロセス・体制づくりの重要性を感じた1年でした。しかしながら、サプライチェーン全体で、改善活動や投資を継続して行ってきたことが奏功し、お客さまのニーズに応じて製品供給体制を柔軟に調整し、余分なコスト負担を最小限に抑えることができたと考えています。います。当社は、共同調達の推進や契約体系の見直し、市況の変化に合わせたヘッジ戦略の実行、容器の軽量化・減容化・サスティナブル素材対応など、調達コストの低減を図るとともに、持続可能な調達活動を推進しています。また、コカ・コーラシステムのグローバル調達組織であるCEPG(Cross Enterprise Procurement Group)と連携し、成功事例等の情報共有やグローバルなコカ・コーラシステムのスケール・ノウハウを活かした調達戦略を実行しています。 2022年は、持続的な成長および低コストオペレーションの実現に向け、引き続き強固な供給ネットワークの確立の取り組みを継続して行っております。製造面では、製造キャパシティの向上や柔軟な製造体制の構築により、製品の安定供給や製造効率の向上等に引き続き努めています。デジタル技術を活用しながら、改善余地がある営業領域とサプライチェーン領域の連携を深化させることにより、環境の変化に合わせた製品のタイムリーかつ低コストでの供給に取り組んでいます。物流面では、コカ・コーラシステム国内最大級の保管・出荷能力を持つ自動物流センター「埼玉メガDC」の安定稼働や、2022年の7月に前倒しで稼働開始予定の「明石メガDC」の円滑な立ち上げ、これらメガDC稼働と同期した営業・物流拠点の統廃合や、製品在庫の低減および最適配置等も進めています。今後も、サプライチェーン全体において、コスト削減や効率化の取り組みをいっそう進めるとともに、お客さまに安全・安心で高品質な製品をお届けできるよう、効率的で無駄のないサプライチェーンの体制構築に尽力してまいります。21執行役員 最高SCM責任者 兼 SCM本部長ブルース・ハーバートSCM本部長メッセージスケールを活かした高品質な調達製造能力の拡張に向調 達 当社の主な調達品目には、製品のもととなる原液、製品製造にかかわる原材料・資材、販売機器等の間接材等があります。原液については日本コカ・コーラ㈱から調達しており、「売上連動の価格モデル(Incidence-based Pricing Model)」を採用しています。糖類、PETボトル、アルミ缶、段ボール、自動販売機等の調達品については、コカ・コーラシステムがグローバルで定めるサプライヤー基本原則、および、当社の定める調達基本ポリシーを遵守していただけるサプライヤーから調達して製 造 当社はエリア内に17の工場を保有しており、各工場において柔軟な製造を行いつつ、全体最適のサプライチェーンネットワーク構築に取り組んでいます。製造能力面では、昨今の非炭酸飲料を中心としたアセプティック製品の需要増加に対応すべく、2019年から2020年にかけて7つのアセプティックラインの新規稼働を完了しました。製品イノベーションを見据えた新技術の導入も積極的に行っています。また、参入以降、販売規模が増加しているアルコール製品についても製造サプライチェーンマネジメント(SCM)の取り組み
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