アニュアルレビュー2021
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 2021年は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が解除されたタイミングでは人出の一時的な回復がみられたものの、長期にわたる緊急事態宣言により人出が総じて戻りきらなかったことや最需要期に記録的な大雨の影響を受けたことなどから、国内の飲料市場は前年から微増に留まったものとみられます。そのようななか、当社は、新型コロナウイルス感染症に端を発した需要の急激な増減やチャネルごとのトレンド変化への対応を行いながら、コントロール可能な分野に注力するという考えのもと、ビジネスの抜本的変革に取り組んでまいりました。 2021年の業績につきましては、緊急事態宣言解除後の人出の回復等により販売数量は前年から増加したものの、消費者の購買行動の変化や厳しい競争環境を背景としたケース当たり納価の低下等の影響、前年に抑制したマーケティング投資や人財投資を適正な水準で実行したことなどが影響し、事業利益は前年から減少いたしました。 2022年は、2021年からの人出の回復により、国内飲料市場の一定程度の成長を見込んでおりますが、飲用機会の即時消費から家庭内消費へのシフトや購買チャネルのシフトといった消費者の購買行動の変化による影響の継続や、厳しい競争環境の継続、原材料・資材・原油等の世界的な価格高騰や円安などにより、厳しい事業環境は継続するものと予想されます。 2022年の業績につきましては、売上収益は前年比4.3%増の8,197億円、事業利益は前年並みの146億円の損失を見込んでおります。原材料等の価格高騰による100億円以上のコスト負担の増加、厳しい事業環境の継続、2021年に実施した一時的なコスト削減約180億円の反動などの減益要因を見込んでおりますが、人出の回復による成長機会を捉えた営業活動を徹底し、前年から2%の数量成長を実現するとともに、価格改定 当社は、厳しい事業環境下において、新製品の展開やチャネルごとのトレンド変化への対応など、売上への影響を最小限に抑えるためのさまざまな施策に取り組んでまいりました。また、ベンディングチャネルのオペレーションモデルのさらなる進化や、関東エリアの物流ネットワーク最適化に向けた「埼玉メガDC」を中心とした製品在庫の再配置および物流拠点の統廃合、低コストオペレーションの実現に向けたサプライチェーン体制のスリム化、全社的なDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務の効率化、新しい働き方の推進など、市場が正常化した際に利益成長を果たせる事業基盤の構築に向け、変革の重要施策を緩めることなく推し進めてまいりました。これらの取り組みは着実に成果を生み出しており、新型コロナウイルス感染症による影響の緩和やビジネスを守るための短期的なコスト削減といった側面だけでなく、将来の成長に向けた基盤の構築といった側面においても大きな貢献を果たしたと考えております。やマーケティング費用のコントロールといった収益基盤改善に向けた取り組みの実施や変革のさらなる推進により、前年並みの事業利益を目指してまいります。 営業分野では、新製品の展開や多様化する消費者ニーズへの対応を強化するとともに、収益性重視の価格戦略の一環として、5月に大型PETボトル製品の出荷価格を改定するなど、成長と収益性改善の両面での取り組みを進めています。また、製造・物流分野では、持続的な成長の基盤となる供給ネットワークの再編に取り組んでおり、2021年に稼働開始した「埼玉メガDC」の安定稼働や、2022年7月に稼働予定の「明石メガDC」の円滑な立ち上げに向けた準備を進めるとともに、メガDCの稼働とあわせて営業・物流拠点の統廃合や製品在庫の低減・最適配置等を行っております。マネジメントが語る価値創造ストーリートップメッセージ / CFOメッセージ代表取締役副社長 CFOビヨン・イヴァル・ウルゲネス0606CFOメッセージ2021年の総括2022年の事業計画と見通し

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