CSV レポート 2022
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 私たちは、CCBJHグループのビジネスレジリエンスプログラムに基づいて、リスクと機会の管理、即ち、社員と資産の保護、危機的状況への対応力の強化、保険によるリスク移転などに取り組んでいます。この取り組みを強化するため、2021年にリスクマネジメントシニアグループを設立し社長直属の最高リスク責任者(Head of Risk Management(HRM))を任命しました。COSOフレームワークとISO31000に基づいたエンタープライズ・リスク・マネジメント(ERM)プログラムは、引き続き強化され、適切な意思決定、リスクと機会の特定、それらへの対応により、事業を促進しています。2021年には、ERM研修プログラムを通じ、企業文化としての定着に注力しました。 このプログラムは、エグゼクティブ・リーダーシップ・チーム(ELT)や、事業本部ごとの会議を通じ、リスクと機会の見える化に注力しており、さらにELTメンバーとHRMの議論により補完されています。 当社のリスクおよび関連する取り組みは、監査等委員会には四半期ごとに、取締役会には年2回、プログラム全体の最新情報が報告され、毎年内部監査チームによってグローバルなベストプラクティスに照らして監査されています。 ERMプログラムには、当社の事業戦略、目標、原則との整合性を確保するためのさまざまな要素が盛り込まれており、当社の戦略的方向性、倫理観、価値観との一体化を推進しています。また、このプログラムは事業計画とリンクしており、リスクに影響を及ぼし、機会を創出する要因について内部・外部の環境を継続的にモニターしています。また、購入すべき保険の種類と金額についても毎年評価を行っています。保険市場が厳しさを増すなか、当社のアプローチは関連するリスクの発生可能性とその影響度の大きさに照らし、その付保可能金額とコストによって大きく影響を受けることとなります。 事業継続計画を含む強固な危機管理プログラムにより、当社は危機に効果的に対応することができます。これらのプログラムは、毎年見直され、ELTメンバーに対してシミュレーション形式で行われる危機対応トレーニングが行われています。スマートリスク構想の実施2021年、私たちはスマートリスクというコンセプトを導入し、ERMプログラム全体を強化しました。このコンセプトは、リスクマネジメントを成長志向と結びつけることによって、リスクマネジメントの考え方を一変させるステップであり、成長の機会を活用するために、革新的に行動し、情報に基づいたリスクを機敏に取る力を私たちに与えることによって、企業文化の変革を促すものです。この文化的な統合は、毎年見直され、強化されるERMフレームワークによって支えられており、リスクの特定と管理、および成長機会の発見と活用のスピードを高めています。 当社のビジネスレジリエンスプログラムは、事業を保護しながら成長を可能にすることに焦点をあてています。ELTは、通常のビジネスの一環として、リスクと機会について議論します。シニアリーダーは迅速な対応を行います。日本コカ・コーラ、他ボトラーを含むコカ・コーラシステム内においても定期的に議論を行い、外部リスクをモニタリングします。HRMが議長を務めるシニアリーダーとの会議で、ボトムアップ方式により、リスクと緩和策、および潜在的なビジネスチャンスを特定します。さらにHRMとELTとの間で行われる一対一のインタビューでトップダウン方式によるリスク評価を実施します。毎年開かれるリスクマネジメント委員会において、きめ細かい見直しと議論を行い、主要なリスクと実施済みの緩和策を検証します。リスク管理に関する規範を遵守し、HRMは四半期ごとに、監査等委員会に対し、重要なリスク、管理、およびそのプロセスについて説明します。HRMは、年2回取締役会に状況報告を行い、ビジネスレジリエンスプロセスの透明性を確保します。リスクと機会の両方を特定、検討、管理、報告するためのERMプロセスは、ISO31000と改訂版COSOフレームワークの両方の優れた点を取り入れ、2021年にさらに強化されました。2021年、このプロセスの一環として行った活動は以下の通りです。2021年の取り組みリスクマネジメントへの取り組みの詳細https://www.ccbji.co.jp/csv/risk/ELTによる重点的な取り組みコカ・コーラシステムによる積極的なリスクモニタリング事業本部による見直しとELTとの一対一の面談によるリスクの深堀リスクマネジメント委員会監査等委員会取締役会による見直し45リスクマネジメント体制リスクマネジメント活動と説明責任リスクマネジメント

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